岸からエギを投げ、シャクった後のフォールで抱かせます。秋は小型の数釣り、春は藻場へ入る大型が狙い目です。
キャスト後はラインを軽く張り、エギが沈む間の糸の動きを追います。着底するとラインが止まるので、余分な糸を巻いてから2〜3回シャクります。エギを跳ね上げた後は力を抜き、再び沈ませて抱かせます。穂先からエギまでの垂らしを1mほど取って投げ、カウントは毎回同じ数え方でそろえます。沈む速さはスペック表の秒数どおりには出ません。パッケージの「秒/m」に足す時間は、港内なら0〜1秒、外側なら1〜2秒、風や潮が気になる日は2秒ほどが目安です。エギの種類や釣り場で変わるので、実際に着底するまで数えて調整します。足場の高い釣り場では、水面から手元までの長いラインが風を受けてエギを引っ張るので沈下は遅くなり、潮が速い日も同じように遅くなります。
同じ力でシャクっているのに手前でエギが浮いてくるのは、腕ではなく角度の問題です。沖に投げた直後はラインに角度がつきにくく、シャクってもエギはあまり跳ね上がりません。エギが手前に近づくほど角度がついてくるため、同じシャクリでも跳ね上がる高さが増えていきます。手前でも沖と同じ強さと回数で振り続けると、中層を通しているつもりが水面近くまで上がってきます。手前ではシャクリの回数を減らすか少し弱めると、通す水深を保ちやすくなります。水深の浅い場所で力を込めて何度もシャクると、エギが水面から飛び出します。
シャクリの軽さを決めるのは腕力ではなく、エギの重さがロッドに乗っている時間の短さです。乗っている時間が短いほど、振り出しの初速を上げられます。目安は、竿を下げた位置から真上の手前あたり(時計の文字盤でいう7時から10時)を通る間はエギの重さを感じず、動作の後半で重さが乗ってくる状態です。言い換えると、抵抗がかかるタイミングが竿の真上に近い位置に来るよう糸ふけを調整します。シャクる前に糸ふけを回収しすぎると、振り上げた最初の瞬間からエギの抵抗がかかり、竿が一定の軌道で振れずギクシャクします。逆に緩ませすぎるとエギが動かず、竿を振り回しているだけになり、ラインに結びコブができるトラブルも出ます。シャクった後にリールを巻きすぎてラインを張ると、次のシャクリでエギが動かず、フォール中も頭が上向きになって姿勢が崩れます。潮の速さは手のひらに返る抵抗で測れます。重く感じる日は3回シャクっていたところを2回に減らしてゆったり弱く、抵抗を感じない日は3回を4〜5回に増やして強めます。中層で抵抗の変わる層があれば、そこがイカの泳層であることが多いので、毎回その変化を感じられるよう同じ層を通します。
秋の小型には2.5〜3号、春の大型には3.5号が使いやすいです。向かい風、深場、速い潮で底が分からなければ重いタイプへ替えます。浅い藻場ではシャロータイプにして、藻の上をゆっくり通します。号数は箱に書かれたサイズで、実際の釣りで効いてくるのは1m沈むのにかかる秒数です。ベーシックの3.5号は約3秒、同じ3.5号でもシャローは約6秒、スーパーシャローは約8秒かかります。重さの差は2.5gほどしかないのに、1m沈む時間は倍以上変わります。3号も同じ構図で、ベーシックが約3秒、シャローが約6秒、スーパーシャローが約8秒です。水深で並べると、イカが見えている1m未満は1m沈むのに4〜5秒の2.5〜3号、1〜2mは抱かせる時間を作れる約6秒のシャロー、10〜15mでは約2.2秒のディープ、秋でも3.5号、という順になります。浅い場所で重いエギを使うと沈下が速く、根掛かりする率が上がります。
色は2つの軸に分けると迷いません。背中の色は潮の色に、下地のテープは光の量に合わせます。潮が濁っている日はオレンジやピンクなど派手な背色にすると、エギ自体も見やすく、追ってくるイカからも見つけやすくなります。澄んでいる日はベイトフィッシュを思わせるブルーや、底の小魚に寄せたブラウンなど落ち着いた色に振ります。下地は時間でたどります。夜や暗い時間は赤か夜光、日の出が始まったらピンク、陽が上がってきたらオレンジ、完全に明るくなったら金、太陽が真上で光が強い時は銀やホログラム、という順で下地を替える組み立てがあります。日没に向かってはこの逆順で、銀やホログラムから金、オレンジ、ピンク、赤へ戻します。曇りや雨の日はケイムラが効きます。曇っていても紫外線は届くためで、暗いと感じたら早めにピンクや赤へ戻します。夜光は濁った日にもぼんやり光るので、暗い時間以外でも出番があります。
ラインが止まる、横へ走る、急に張る、予定より早く着底したように見える変化がアタリです。迷った時は大きくあおらず、糸ふけを巻いてから竿を立てます。掛けた後はドラグを使い、一定のテンションで寄せます。エギは自重で頭を下げた前傾姿勢のまま沈みます。この姿勢で揺れずにスーッと落ちることがアオリイカの好む動きで、ラインを張りすぎて頭が上向きになったり、途中で引いて揺らしたりすると逆効果です。イカが腕でエギに触るのはこのフォール中が多く、落ちたエギについていった着底直後にも集中します。カンナにはカエシがないので、掛けた後にテンションを抜くと外れます。ドラグは600〜800gを目安にし、小型が中心の秋は緩め、大型が出る春は強めにします。シャクった時にジッと少しだけ鳴る程度が合図です。強くしておくと鋭くシャクった瞬間に身が切れ、弱すぎるとアワセが効かず、エギもあまり動きません。
春は藻場の切れ目へ3.5号を入れ、フォールを長めに取ります。秋は港内や堤防を歩き、2.5〜3号で反応する群れを探します。同じ場所で抱いたら、立ち位置、沈めた秒数、エギの色を次の一投にも合わせます。
最初に沈める秒数を変え、それでも触らなければフォールを長くします。一度に全部替えず、沈める時間、フォールの速さ、エギの号数を一つずつ変えます。エギのタイプによって合わせる動かし方も変わります。横っ跳びを重視したダート系やサーチ系は、1回シャクって跳ね上げてからジャークを5回入れ、そこからフォールへ移す組み立てが噛み合います。姿勢を重視したフォール系は、1回シャクって2段シャクリを入れ、フォールを長めに取ります。着底を取らずにジャークから始めると、ジャークは横方向の動きが強いぶん跳ね上げる高さが足りません。まずシャクリを1回入れて跳ね上げてから移ります。シャクった後に止めを入れなかったり、糸ふけを取り忘れたりすると、振ってもエギに力が伝わりません。
カンナが汚れていたり、前に掛けたイカの足が残ったままだと、アオリイカの抱きが渋くなります。1杯取り込むごとに触って確かめ、必要なら洗って戻します。小さいイカは抜き上げられますが、大きいイカは胴の中に水が入って重く、抜けません。タモやギャフを先に用意しておきます。入れる時はイカの後ろ側からです。前から入れるとイカは後ろへ逃げるので、身切れやラインブレイクにつながります。